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Franzbrötchen  フランツブロートヒェン

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かれこれ5年前の話。ベルリンから引っ越さなければならず、ハンブルクにて始めての部屋探しに出た日のこと。全く上手くいかなかったのですね、 ぐったりしながら家に帰る途中によったパン屋さんで見かけたのが、フランツブロートヒェン。

疲れていたのもあると思うのですが、
凄い悪印象だったのですよ。なぜかと言うと大きな天板いっぱいにベッチャリと平べったく、じゅうぶん発酵しませんでしたと言った感じ、しかもうんと黒っぽい固まり生地が、あたかも売れ残ったように並んでいましたからねえ。ああこんな失敗作でもここのパン屋さんは売ってしまうのだなー、気の毒に、、、と思うかたわら、あまりにも大胆に失敗しているのに売ってしまっいるところがずうずうしくまた逆に魅力的というか、、

食べてみたら、、、
とってもおいしかったです。

ハンブルクに住み始めてからわかったことですが、平べったくて、黒っぽいのは全然失敗作とかではなくて、もともとそういうものだったのです。黒っぽい(焦げ茶)のはシナモンたっぷりの砂糖が生地に渦上に練り込まれていて、それが焼かれたときに解けてキャラメル状になった物です。

フランツブロートヒェン名前ですが、ナポレオンがハンブルクを占拠していた時代に有名になったクロワッサンとおなじように発酵生地にバター、油などで層を作った生地で出来ていると言う所からFranz−französische (フランス風)ーFranzbrötchenと名付けられたとか、、、

また、ドイツでは小さな物にーchen(ヒェン)を付ける事がよくあります。
例えば普通のパンはBrot(ブロート)小さいパンBroetchen(ブロートヒェン)と言った感じ。
あるときFranzbrot フランツブロートと名付けられたバゲット(日本で言うフランスパン)に似ているような長いパンがあって、あるハンブルクのパン屋さんがその話にしたがったパンをフライパンで小さくして揚げた事からフランツブロートヒェン(小)が出来たという説もあるらしいです。

私としてははじめの説の方がしっくり来るなあ。

取りあえず、私たちの目にするフランツブロートヒェンといいますと、
基本的に平べったくて焦げ茶色なのはどこでも共通ですが、やっぱりおみせによって色々な違いがありあます。
例えばチョコチップやカボチャの種、クランブルなどのトッピングがあったり、レーズンが練り込んであったり、大抵おいしいですよ。
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わたしが好きなのはシンプルなスタンダードタイプで、シナモンシュガーのみのやつです。
あたたかい出来立ては、砂糖がまだかたまっていないのぐんにゃりしています。もちろん美味しいですけれど、夏場は冷やしてあるのが好きですねー。
ハンブルクにいらしたら是非ためしていただきたい地元菓子パンです。